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2000.Sep.30

Ravenna  ラヴェンナ

=モザイク美術の宝庫・世界遺産

どんよりとした曇り空。朝食の後、ボローニャのホテルを出発するまでのほんの少しの時間に、ホテルの部屋から見える向いの建物の黄色とオレンジ色の壁に惹かれてスケッチする。 ラヴェンナに向かう途中、雨がぽつぽつ降り出す。そんな中、まずは中心地から少し離れた‘サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂’へ立ち寄る。中に入ってみると、それはもう言葉では言い表せない程美しいモザイク美術が、建物の中一面に広がってた。素朴で落ち着いた色合いの中にも新鮮さがあり、見とれる。モザイクだけでこれだけすごいものを5〜6世紀の時代に生きた人たちが作ったなんて。宗教への熱い思いがあってこそ、この素晴らしい芸術作品が存在すんねやろな。そして、めっちゃいいタイミングで、賛美歌の合唱が響き渡ってきた。外から、この聖堂の外観をスケッチ。この建物の中に、すーごいもんがあるってことを伝えたいけど、伝われへんなぁ。 しょっぱなから感動したおしやけど、ラヴェンナの見どころはこれだけじゃない。‘サン・ヴィターレ教会’と‘ガッラ・プラチーディアの廟’へわくわくしながら向かう。教会のほうは、見た目ごくごくシンプルやのに、中はものすごい。圧倒されるほどのモザイク装飾。それよりこの旅で、一番感動したのが、ガッラ・プラチーディアのほう。めっちゃ小さいこじんまりした外観からは想像つかない廟の中に、あふれる満天の星。というイメージ。その深くて神秘的なブルーに私の心はとりこになった。ずっとその空間に居ときたい気分。まばたきを忘れるほど、ずっと天井を見上げていた。首が痛くなって、後ろ髪ひかれる思いで外に出て、この廟をスケッチ。感動覚めやらずで、スケッチに集中できない。 このブルーは一生心に残りそう。


本日のランチ。ツナ、トマトソースのスパゲティー、しゃけの香草焼き、レモンとバニラのジェラート。昼食後、小雨の中、場所選びに苦労しながらも、ポポロ広場でスケッチ。 安野光雅を意識したつもりが、子供のぬり絵みたいになってしもた。今日はフィレンツェ郊外のホテルに宿泊の為、移動距離がちょっと多いので、早めにラヴェンナを出発。山を越え、トスカーナの地へと向かう車窓の風景はどんどん変わってゆき楽しい。

「美しいものをつくる人は、美しいものを見なあかん。美しく生きなあかん。」

一緒に旅をした、油絵画家のおじさんがそう言った。

かなりクセのあるとっつきにくい人やったけど、この言葉を聞いて、好きになった。