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2000.Oct.1

San Gimingano  サンジミニャーノ
サンジミニャーノへ向かう道々、咲き終ったひまわりが黒くなって首をたれる畑が広がる。これ、花の時期に見たら圧巻やろうなー。見てみたいなぁー。映画‘ひまわり’の世界そのままの風景なんやろなぁ。‘美しき塔の町’と呼ばれるサンジミニャーノ。小さい町なのに、やはり観光客多し。ぐるりと城壁に囲まれた丘の上にあるから、ここもまた坂道だらけ。普段から足腰は鍛えておくべき。ってことを痛感。

サンジョバンニ門から広場まで、お土産物やさんの続く通りを歩いていくと、ずどーんとした四角い塔が、何本もニョキニョキはえるように立ってるのが見えてくる。これは近づきすぎると絵になりにくい。街全体を遠景でとらえたらきれいやろな。サンタ・フィナーレ礼拝堂のフレスコ画を見に、ドォモの中へ。ギルランダイオ作「聖女フィーナの生涯」が有名。それ以外にも素晴らしいフレスコ画がたくさん。町を歩いていて気付くのは、ギャラリーやアトリエ、絵を売るお土産物やさんがたくさんあること。芸術の町というかんじ。高台に上ると、360度周りを見渡せるパノラマがひらけ、トスカーナの平野に雲間から差す光が美しく、畑の模様がモザイクのよう。

バールでお茶しながら通りをスケッチしてたら、 お店のおばちゃんが、なんやらすごい剣幕で文句ゆうてきはる。せやけど、イタリア語で何て言うてるか分からへん。何も悪いことしてへんし、ちゃんとお金払って席に座ってるんやけど、絵かいてんのがあかんの?って日本語で文句を言い返し、そのまま居座ってたら、合計3回文句言いにきはった。安いコーヒー1杯でねばるな。って言われてたんやろか。結局何に怒ってたのかは謎のまま。なんかしらんけど、ごめんなさい。

旅に一緒に参加した友達、ピアニストゆかちゃんと、夕食のあとワインのラベルを必死になってめくってると、ホテルのボーイさんが、ワインについての解説をし始めた。そしていろいろ話してると、ホテルのバールでお茶をどうぞと言うので、行ってみた。先にバールで飲んでらした紳士とお知り合いになる。日本とドイツからお仕事で来られており、先日私が誕生日だったことを知ると、イタリアのシャンパン、スプマンテをごちそうして下さった。ほんでボーイさんは、この地方のさくさくしたお菓子とカプチーノをおごってくれた。ごちそうさまでした。ゆかちゃんがバールに置いてあったピアノで、ハッピーバースデイを演奏してくれ、誕生日気分を満喫さしてもらった一時。

ヨーロッパに来て思うのは、日本の空と違うこと。どこまでも広く遠く、ダイナミックに空が広がり、雲の色も形もいろんなのが一度に見える。まるで雲の標本みたい。1日ぼーっと空だけを眺めてすごしたって、ぜんぜん飽きへんやろうな。


2000.Oct.2

Cortona  コルトナ
城壁に囲まれた小高い丘の上にある町、門をくぐり町の中にはいった瞬間、一目で気に入った!シェナ、サンジミニャーノなんか比べものにならないくらい、すごい坂ばっかしで、お年寄りは、皆つえをついてはる。貸して欲しいと思った。その坂道の両側には、油絵でかきたい扉がいっぱい!グリーンの扉が多かったのだけど、その侘び寂び具合がたまらない。この町の扉、片っ端から全部写真に撮って帰りたい。と真剣に思った。月曜日、たいていの美術館はお休みで、カサーリ宮殿のアカデミア博物館と、ディオチェザーノ美術館は残念ながら見学できへんかった。そして、とにかくコルトナで一番高いと思われる所へ向かって上って行く。なんとかは高いところが好き。というけど、そのとおり。町のてっぺんからの景色は、とてもよい眺め。南側にイタリア最大のカルデラ湖、‘トラジメーノ湖’が輝いて見える。細い路のわりに、車の交通量が多いのだけど、1本道をそれると、驚くほど静かなたたずまい。

腰をおちつけてスケッチ。 近くに教会があって、そこから賛美歌が聞こえてくる。人通りも少なく、そこだけ時の流れが止まってしまったよう。坂の下の屋根の間からキアーナの谷が見おろせる。このままずっとここにいたい。と思う。はっと気付くと、集合時間10分前!あわてて荷物をまとめ、急な下り坂を猛ダッシュ。かなり上にいたらしく、思ってたより広場は遠くて、そしてこういう急いでる時に限って、めっちゃいい景色をいっぱい見つけてまう。写真だけでも!とカメラ片手に走る。ランローラランみたいになってる。なんとかぎりぎり時間には間に合ったけど、ひざはガクガク。ふぅー。つかれた。